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ナガエツルノゲイトウ=2022年6月13日午後3時20分、佐賀市本庄町鹿子、野上隆生撮影
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 岡山県内で特定外来生物「ナガエツルノゲイトウ」が初確認された。極めて繁殖力が強く、「最悪の侵略的植物」とも表現される南米原産の多年草だ。すでに生息が広がっている他県では、農作業に支障が出ている地域もあるといい、県は生息範囲が広がらないよう早期の駆除を図る。

 県自然環境課によると、生息が確認されたのは倉敷市の小田川河川敷で、琴弾橋(同市真備町妹)の1地点と、箭田(やた)橋(同市真備町箭田)から二万橋(同市真備町下二万)付近にかけての8地点の計9地点。それぞれ1~9平方メートルの範囲で生息していた。

 ナガエツルノゲイトウは水陸両生で、河川や水路、水田などに侵入して大群落となり、水路を詰まらせたり、取水や排水の障害になったりする恐れがある。茎は、ちぎれやすく、節や根から活発に再生されることから、駆除に手間がかかる。昨年7月現在で全国25都府県で生息が確認されているという。

 県は国や倉敷市と連携し、3月までに生息状況を踏まえて駆除方法の検討を行い、4月以降に駆除に取りかかる。駆除後も、周辺の上下流1キロ程度の範囲について監視を続ける方針だ。

 自然環境課の担当者は「侵入初期の対策は大事だ。モニタリングを続け、県内全域に広がらないようにしたい」と話している。

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